CSM-SQ-R
電波流速計(水路向け) SQ-R

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概要

Sommer社製SQシリーズ流量センサーは、継続的に非接触で開水路あるいは閉水路、工業用水路、農業用水路、排水路、半分程度に満たされたパイプ、および廃水路において正確にその流量を計測することができます。頭首工における取水量の管理、モニタリングにも利用できます。

設置と準備が非常に簡単で、非接触による流速と水位は最新のレーダー技術によってなされます。そしてセンサー内では水理モデルに基づいて自動で流量の計算が行われます。流量の計算はSQ-Commander(無償ソフトウェア)を用いて水路のプロファイル情報を入力することで可能となります。

  

特徴

  • 取付工事が容易(水を止める必要なし)
  • メンテナンスフリー
  • IP68(水没可能) *ただし水没時には計測はできません
  • 紫外線および酸に耐性のある密閉型ハウジング
  • Sommer社データロガー(MRL-8)との組み合わせでコンパクトなシステムを実現
  • 流量パルス出力可能
  • 特定小電力無線を使用しているため無線局の届出が不要

測定原理

【流速】

流速はドップラー効果を使用することで測定されます。周波数が24GHzの電波を水面に照射します。照射された信号は部分的に反射し、動く水はドップラー効果による周波数の変化を引き起こします。反射した信号のスペクトル解析が行われ、水の表面速度が計算されます。信号は水面に対してある角度で送信されなければなりませんがセンサに搭載されている角度センサにより、流速計算の補正が自動で行われます。

【水位】

本装置は水面に垂直な短いパルスを送ります。水位は水面までのパルスの反射時間を用いて計算されます。

【流量】

流量Qは連続方程式で決まります。

Q=Vm・A(h)

水位の関数として水の断面積A(h)は、測定点の断面積のプロファイルで決まります。SQ-Rは平均流速AMではなく、局所の表面流速Vlを測定します。平均流速は換算係数kによって計算されます。

Vm=VI・k

kファクターは現場での計測またはSQ Commanderソフトウェアのどちらかで設定可能です。水位、kファクターおよび断面積のデータは装置に保存することができます。これによってSQ-Rが流速と水位の測定から直接流量を計算して出力することが可能となります。

SQ-Rは下記の方程式で流量を計算します。

Q=A(h)・Vl・k

仕様

全般

スクロールすることができます

寸法 276 x 148 x 143 mm
径30mmパイプ用ブラケット付属 
重量 1.55kg
保護等級 IP68
供給電源 6~30VDC
消費電力@12V 待機時 約1mA
測定時 約175mA
動作温度 -35℃~60℃
保管温度 -40℃~60℃
保護機能 統合型雷保護
自走垂直補正

精度:±1°

分解能:±0.1°

インターフェイス

4-20mA出力x2 (OUT2:水位、OUT4:流速または流量)
SDI-12 x1 (水位、流速、流量、測定品質パラメータ)
RS485 Modbus x1 (水位、流速、流量、測定品質パラメータ)

パルス:1パルスの量は調整可能

オプション

ケーブル 10mまたは20m

水位測定

スクロールすることができます

測定範囲 0~8m(不感距離0.05m)
精度 2mm
レーダー周波数 80GHz(W-Band)
レーダー開口度

流速測定

スクロールすることができます

検出可能測定範囲 0.08~16m/s (流れの状況による)
精度 ± 0.01 m/s
分解能 1mm/s
方位認識 +/-
測定持続時間 5~240秒
測定間隔 8秒~5時間
測定周波数 24GHz(K-Band)
レーダー開口度 12°
水面までの距離 0.05-35m

仕様図

ハウジングの寸法(mm)

配線

スクロールすることができます

配線    

GND

電源-

Ground

Vsupply

電源+

+6~+30VDC

DIG-OUT

パルス出力

Lowレベル: 0V

Highレベル:入力電源電圧

RS485 A* RS-485 (1200~115200 Baud)
RS485 B* RS-485 (1200~115200 Baud)
ピンク SDI12 SDI12
IOUT2 水位
IOUT4 流速または流量

※TI表記に従っており、標準のEIA表記とは異なっています。

設置条件

センサ近くに流速が変化するような場所は避け、流れが一定の場所を選んでください。下図のように水路の排水箇所の近く、段差になっている場所、構造物が存在する場所の近くは望ましくありません。当該箇所から最低でも水路の幅x5~10倍の距離分離すことをお勧めします。

水面までの高さにより、流速測定の範囲と場所が変化します。流速測定部に構造物や動くものが入らないようにしてください。レーダー開口度は12°です。下記図参照。

センサ設置高さと流速計測場所(単位:m)

管路に設置する場合は開口度と最低設置高さの関係で最低でも150mm幅が必要です。

電流計測について

電流信号を出力する変換器には、4線式と2線式があります。

スクロールすることができます

4線式 2線式
4線式では、電源2線と信号2線が分かれています 2線式では、供給電源の消費電流がそのまま電流信号(4~20mAなど)になります。
※ <注意>端子の並び方、呼び方は機種によって異なります。

Q&A

スクロールすることができます

 

RQシリーズとの差は何ですか?

計測場所:

RQシリーズは自然の河川を対象としており、複雑な断面プロファイルに対応しています(入力は有償のQ-Commanderを使います)

SQシリーズは人工的な水路や管路を対象としており、作成できる断面プロファイルはシンプルなものに限られます

防水性能:

RQシリーズはIP67一時的な水没に耐える性能を持ちます。
SQ-RはIP68となっており水没しても問題ありません。

パルス出力:

SQシリーズはDIG-OUT端子から流量パルスを出力可能です。パルス幅とパルスあたりの流量は設定可能です。

出荷成績書は付属しますか? トレーサブルな機器(レーダーモジュール)で校正された成績書が付属します。
無線局の届出は必要ですか? 特定小電力無線を使用しているため無線局の届出は不要です。
学習はどれくらいの期間が必要ですか? 計測条件のばらつきにより変わりますが、概ね数日-1ヶ月以内で生値と学習済み流量に差が出てきます。
システム一式での提案は可能ですか? データロガー、電源装置、風速計、通信機器、設置金具トータルでのご提案が可能です。
計測できる流れの向きは決まっていますか? 正負両方対応可能ですので、上流下流の向きの区別なく設置できます。
流れに対しての設置の偏角に制限はありますか? 機器には左右方向の偏角(0-60°)を設定可能で内部計算にて自動補正します。ただし、30°以下が望ましいです。
雨は計測に影響しますか?

雨粒は運動の方向が垂直で河川とは異なるベクトルのため計測への影響はほとんどありません。

雨滴がレーダー感部に付着した状態でも計測に影響はほとんどありません。

風は計測に影響しますか? 流速が遅く(1m/s以下)風が強い場合は計測の影響が出る場合があります。ある程度流速がある場合には風の影響は相対的に小さくなります。
断面パラメータの入力はどのようにして行うのですか? 無償の専用ソフトウェア(SQ-Commander)により設定を行います。
デモ機はありますか? お問い合わせフォームよりご連絡ください。
実際の試験データはありますか? お問い合わせフォームよりご連絡ください

参考動画