概要
CYS-SY8
アスマン通風乾湿計(ゼンマイ式)
CYS-SY1
アスマン通風乾湿計(モータ式)
アスマン通風乾湿計は、気温と湿度測定の基準となるもので、屋内外を問わず、手動で気温湿度を正確に測定することができます。日射、放射の影響を最小限にするような構造と通風速度を持つように設計されており、特にこのSY式はアスマン通風乾湿計の標準器と呼ばれている物です。湿度は、乾球、湿球温度を読みとって、換算表から求めます。2本の温度計はそれぞれ、乾球、湿球温度を測定するもので、湿球温度計にはガーゼが巻かれており、そこを付属のスポイトで湿らせます。乾球、湿球とも一定の速度で通風されているので、湿球温度はそのときの湿度の状態に依存してある湿球温度で定常状態となります。
正確な気温を測定するため、感部は日射・放射から断熱された筒で保護され、その保護された菅の内部は3m/s以上の通風速度で上部に取り付けられたファンにより通風されています。
海外など電源事情の悪いところにはゼンマイ式を推奨します。
仕様
スクロールすることができます
型式 | CYS-SY8 | CYS-SY1 | 備考 |
測定範囲 | -30~+50℃ | 変更可能 | |
最小目盛 | 0.2℃ | ||
通風速度 | 3m/s | 5m/s | |
動力部 | ゼンマイ | モータ | |
電源 | なし | 単1*2個 | |
大きさ | 90φ×410 | 90φ×430 | |
重さ | 3kg | 3.5kg | |
収納箱 | 木製 | 木製 | |
付属品 | 収納箱、湿度換算盤(円形)、スポイト、ガーゼ、水ボトル(小) |
測定方法
1.アスマン通風乾湿計を箱から出して、測定したい地点に吊します。
このときの注意点は以下の通り、
一般的な気温、湿度の観測の場合、アスマンの吸い込み口を1.5mの高さにする。
(実際には読みにくければ、温度計の目盛りを目の高さにする)
壁、電柱など熱容量の大きいものの近くには吊さない。その物体の熱の影響を受けてしまいます。
直射日光の下でも正確に測定できますが、できれば、日陰にする
2.電源を投入する。ゼンマイ式の場合は、ゼンマイを巻く。
3.湿球のガーゼにスポイトで水をつける。
スポイトで多めに水を付け、水を捨てたスポイトで、再度余分な水をガーゼから吸い取る。
その後、アスマン通風乾湿計からは離れて待機する
4.3分以上経過したら、乾球、湿球の値を読みとる。
3分以上であれば、10分以内いつでも構わない。
ただし、乾燥時は湿球の水分が蒸発するのでその前に読みとる
湿球の温度が上昇し始めたら、水分が不足しているので再度3.を繰り返す。
3.の水分補給後は再度、3分間待つ
事前に大体の温度を離れて読みとっておいて、実際に読むときは息を止め、一瞬で読みとる
ちょうど、吸い込み口が口の近くにあるので、
体温や息で0.1~0.2℃は簡単に上昇してしまう
そこで、上記のようにできるだけ、迅速に乾湿温度を読みとる
5.野帳に乾球温度(TD) 湿球温度(TW)を記入、換算盤より、湿度を計算して記入する
※初めてアスマン通風乾湿計を使う場合は、以下の確認をすることがこの装置の理解につながります。
- 読みとりに長時間かかると体温や息によって温度が上昇してしまうこと、
- 水分が蒸発して湿球が乾燥し始めると、湿球温度が上昇し始めること
- 再度、水分を補給すると、ある一定温度まで湿球温度が下がること
- 直射日光下でも、日陰でも同じ地点なら気温がほとんど同じであること
- 通風が止まると、日中は気温が上昇し始めること
(注意)アスマン通風乾湿計は地面からの輻射熱、反射光に対しては対策されていません。
長時間 直射日光下でかつ地表面温度の高いところでの測定は、気温との誤差が生じるおそれがあります。その場合は、日陰での測定など、工夫が必要です。