CTN-RCM511
モバイル路面凍結センサー

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概要

モバイル路面凍結センサーRCM511は、道路の冬季メンテンナンスの品質管理および最適化のためのツールとして設計され、その小さな本体で路面状態検知と膜厚測定を可能としています。移動する車両に搭載することができ、路面状態や摩擦係数をリアルタイムで把握します。


水・氷層の厚さをミリ単位で最大5mmまで測定し、その測定した路面状態や水・氷の量の情報を使って摩擦係数を推定します。制動摩擦測定のアプリケーションは、摩擦係数モデルを検証するためにスマートフォン上のユーザーインターフェースに組み込まれます。測定結果はサーバーに送信され、すべてのデータはオンラインで閲覧することができます。

スマートフォン上のインターフェース。路面状態が色分けされ、リアルタイムにグラフ表示されます(グレー:雪、赤:氷、紫:シャーベット、青:濡れ、紺:湿潤)。黄色の点は、スマートフォンにインストールされた加速度を基にした摩擦計で測定されたものです。
走行して路面状態を測定している様子。
スマートフォンにリアルタイムで状況を表示することができます。

測定項目

  • 路面状態(乾燥、湿潤、濡れ、シャーベット、雪または霜、凍結)
  • 水膜厚、氷膜厚
  • 摩擦係数
  • 路面温度(オプション)
  • 露点温度(オプション)
  • 気温(オプション)

低メンテナンス設計

  • ソリッドステート設計により、消耗部品なし
  • 定期的なメンテナンスはレンズクリーニングのみ
  • 取付角度、高さはの柔軟な対応可能
  • 簡単な取付け及び取り外し(マグネットによる設置の場合は工具不要)

測定原理

RCM511センサは、路面に赤外線を照射し、光の反射を測定します。路面を水や氷が覆っている場合、反射される光は校正値と比較して減衰したものになります。これは水や氷により赤外光が吸収されるためです。信号の減衰の程度は氷や水の量に依存するため、反射量を解析することで路面状態を把握することが可能となります。雪はスペクトル上で氷として見え、硬い氷と区別することができます。測定データの解析は、センサーのマイクロプロセッサーで実行されます。

仕様

スクロールすることができます

寸法

【長さ】70 mm 【直径】50 mm (センサ部のみ)

【長さ】約260 mm 【直径】約75 mm (保護管含む)

重量 230 g(センサー部のみ)
材質 アルミニウム
ケーブル 電源およびデータ用4ピン8Mコネクタ
電源 9~30 VDC(トレーラーライトコネクターもしくはシガーソケットから給電)
消費電力 約 1 w
動作温度範囲 -40~+60℃
厚み分解能 0.01 mm (0~5 mm範囲)(水膜厚、氷膜厚)
厚み精度 水の膜厚1.0 mm以下 0.1、水の膜厚1.0 mm以上 10 %
摩擦分解能 0.01
摩擦精度 0.10(制動摩擦基準値に対する標準偏差として)
出力

RS-232シリアル接続

 

【出力項目】

路面状態(乾燥、湿潤、濡れ、シャーベット、雪または霜、凍結)、水・氷膜厚、摩擦係数、路面温度(オプション)、露点温度(オプション)、気温(オプション)

設置 ヒッチメンバー、フロントけん引フック、マグネット固定、ボルト固定
ユーザーインターフェース

スマートフォン表示。スマートフォンは、路面状態の撮影及び参照絶対摩擦を測定するための制動摩擦測定アプリケーションを実行するためにも使用。データは、路面状態マップで表示、またはローカルユーザサーバーに転送も可能。

 

路面状態マップ

下図は、2022年1月19日にRCM511で測定した表面状態をサーバー(路面状態マップ)で表示し、色分けしたものです。画面下部には、さまざまなパラメーターの推移がグラフ表示されています。凍結状態を示す写真は、モバイルアプリケーションで自動的に撮影され、クリックすることで地図上に大きな画像で表示することができます。

機器をご購入いただいたユーザにはIDとパスワードが提供され独自の画面にてデータの管理が可能になります。サーバ使用は無償にてデータの記録、表示が行えます。



路面状態マップでの路面応答の表示例

センサからの出力は1秒毎にサーバに送信されます。上記は雪路の走行でトンネルを通過した事例です。トンネルの手前までは雪路(白)、シャーベット(紫)ですがトンネル内は濡れ(青)、乾燥(緑)となっております。トンネルでの路面の変化を適切にとらえる事が出来ているのがわかります。トンネル内はGPSが補足できないため、直線で表示されています。

システム構成図

ユーザのニーズに合った構成が構築できます。

タイプA :標準校正 Teconer社のクラウドサーバへデータ転送し、Web画面でデータ表示

タイプB :ユーザのデータサーバへデータ転送(TeconerサーバからAPIでの通信可能)

路面状態の画像撮影はスマートフォンのカメラにて撮影します。

ユーザ殿のご希望に合わせた、システム構築のご提案をいたします。またデモ機の貸し出しレンタルをいたします。詳細はお問い合わせください。

車両への取り付け

CTN-RCM511の車両への取り付けは様々な取付オプションにより簡易に取付可能です。マグネットオプションでは工具を使用せず取り付けが可能になります。車載の為に工場に持ち込み車両に加工などをする必要がありません。また取付の高さや角度などフレキシブルに対応できるので、様々な車種への取り付けが可能となっています。

*センサの受光部に太陽光などの強度の高い路面反射光が直接入り込んだ場合、誤作動の原因となる場合がありますので、日陰側への設置を推奨します。

キャリブレーション方法

参考動画

FAQ

Teconerサーバからのデータの取得はどのようになりますか?

マッピング・グラフの閲覧とデータ手動回収はブラウザーで可能です。データはCSVとなります。

Teconer社サーバーからAPIでのデータ取得も可能です。APIでデータを取得する場合は、CSVとJSON形式の選択が可能です。

CTN-RCM511の車両への取付オプションはどのようなものがあるのでしょうか? 車両への取り付けは、マグネットでの固定と牽引フックに取り付ける方法があります。
計測間隔(サンプリング)は? 1秒サンプリングになります。通信状態によりまれにデータ抜けが起こる場合があります。
メーカーによるメンテナンスは必要でしょうか? メーカーでのメンテナンスは不要です。
初回走行前のみ付属の校正プレートで校正をする必要があります。設置場所を変えた場合は再校正が必要です。
Teconer社サーバのセキュリティーは大丈夫でしょうか?

サーバはユーザー名とパスワードで管理されます。海外サーバ使用不可の場合。別途データロガー等を用いて、独自にデータの回収するシステムを構築することになります。

システム構築はご要望をお聞きして、クリマテックでも対応可能です。

Teconer 社のクラウドサーバーを使用するにあたり、契約等必要なのでしょうか?

機器購入時にID及びPWが提供され、Web利用が可能になります。特別な契約は不要で、無償で利用ができます。

シュートメール機能付きSIMの契約は別途必要になります。

Teconer 社のクラウドサーバーには、どれくらいの期間保管してもらえるのでしょうか? また、どれくらいのデータ容量が転送・保管してもらえるのでしょうか?

今の所は、無期限・無制限です。

デモは可能でしょうか? デモも可能です。詳細説明を含めて、デモをさせて頂ただきます。
疑似路面を使ったデモも可能ですので、乾燥、濡れ、凍結路面で検知性能をご確認いただけます。

 

Teconer社について

Teconer社はフィンランドに本社を置く光学式センサーに特化した、道路気象計測専門メーカです。センサーの開発責任者は長年大手気象メーカにて光学式路面状態計の状態検知アルゴリズムの開発を手掛けておりました。その後Teconer社において、従来型の路面状態検知センサーの性能を上回る精度の高い製品を低価格での生産を実現いたしました。またTeconer社は製品開発とともに路面の摩擦係数と路面凍結防止薬剤の散布濃度の相関関係から、薬剤散布の最適化の研究も行っており、従来より大幅に薬剤散布の量を減らすことを可能にする試験結果などを発表しております。

また、Teconer社はイギリスTRL (Transport Research Laboratory)での路面状態検知センサーの性能比較試験において、現在販売されている各メーカの路面状態検知センサの中でも非常に優れたパフォーマンスを発揮すると評価されています。