風のベクトル計算

風向の平均値の計算について

風向は角度ですので、360度を超えると0に戻ってしまい、単純に算術平均することができません。

例えば、315度(北西)の風向と、45度(北東)の風向を単純平均すると、180度になってしまいます。

キャンベル社のデータロガーでは、2つの方法で風向の平均を計算することができます。
次の2種類です。

・単位ベクトル平均
・ベクトル平均

以下に、2つの計算方法の違いを説明します。
ちなみに、気象庁では単位ベクトル平均を用いています。

(1)平均風速、平均風向の計算方法

スクロールすることができます

計算方法 計算方法
単位ベクトル平均

風速:各風ベクトルの大きさの算術平均(スカラー平均)


風向:水平方向の風ベクトルを単位ベクトルに変換したもの合成角度

ベクトル平均

風速:ベクトル合成した平均風速


風向:ベクトル合成した平均風向

(2)各計算方法の特長

スクロールすることができます

計算方法 特長
単位ベクトル平均 サンプル値の風速の大きさに依存しないで頻度を計算するので、
最も出現回数多い風向になる
つまり、最多風向に近い値になる。
従来の観測、統計方法に近い値となる。
ベクトル平均 風の平均エネルギーを計算する場合などに使用できる。
例えば、北風10m/sと南風5m/sの平均は北風5m/sとなる

(3)上記計算のできるロガー

C-CR300シリーズC-CR800シリーズC-CR1000シリーズC-CR3000シリーズ